コラム

ニキビはなぜできる?原因・種類・皮膚科での治療法と受診の目安

ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡」と呼ばれる皮膚の病気です。

皮脂が多いことだけが原因ではなく、毛穴の詰まり、皮脂の分泌、アクネ菌の増殖、皮膚の炎症など、複数の要因が重なって発症します。

白ニキビや黒ニキビの段階では痛みがないこともありますが、毛穴の中では皮脂や古い角質がたまっています。炎症が進むと赤みや痛み、膿を伴うようになり、ニキビ跡が残る可能性もあります。

赤く腫れてから治療するのではなく、毛穴が詰まった初期の段階から適切に対応することが、悪化やニキビ跡を防ぐために大切です。

ニキビとは

ニキビは、顔や胸、背中などの毛穴に生じる慢性の炎症性皮膚疾患です。

思春期に多くみられますが、成人になってから発症したり、同じ場所に繰り返したりすることもあります。大人になってからできるものを「吹き出物」と呼ぶことがありますが、基本的にはニキビと同じ尋常性ざ瘡です。

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、日本人の90%以上が経験する身近な病気である一方、軽い症状でも瘢痕を残す可能性があると説明されています。

ニキビは「思春期だから仕方がない」「放っておけば自然に治る」とは限りません。白ニキビや黒ニキビの段階から皮膚科で相談できます。

ニキビができる仕組み

ニキビは、毛穴の出口が詰まることから始まります。

皮脂は、皮膚を乾燥や外部刺激から守るために必要なものです。しかし、皮脂の分泌が増えたり、毛穴の出口で角質が厚くなったりすると、皮脂が毛穴の外へ排出されにくくなります。

毛穴の中に皮脂や古い角質がたまった状態が「面皰」です。

面皰の中でアクネ菌が増え、皮膚の免疫反応が起こると、赤みや腫れを伴う炎症性のニキビへ進行します。さらに炎症が強くなると膿がたまり、皮膚の深い部分まで炎症が広がることがあります。

ニキビの主な原因

毛穴の詰まり

皮膚は一定の周期で新しく生まれ変わっています。

この過程が乱れ、毛穴の出口に古い角質が残ると、皮脂が外へ排出されにくくなります。毛穴に皮脂と角質がたまることで、白ニキビや黒ニキビができます。

皮脂の分泌

皮脂の分泌が増えると、毛穴の中に皮脂がたまりやすくなります。

思春期には、ホルモンの影響によって皮脂の分泌が活発になる傾向があります。成人以降も、月経周期や肌の状態などによって皮脂の分泌量が変化することがあります。

ただし、皮脂があること自体が悪いわけではありません。皮脂を落とそうとして何度も洗顔すると、乾燥や刺激によって肌の状態が悪化する場合があります。

アクネ菌の増殖と炎症

アクネ菌は、健康な皮膚にも存在する常在菌です。

毛穴が詰まり、皮脂がたまると、アクネ菌が増殖しやすい環境になります。増えたアクネ菌に対して皮膚の免疫反応が起こることで、赤みや腫れ、痛みなどが現れます。

摩擦や蒸れによる刺激

マスク、髪の毛、帽子、衣類などが皮膚へ繰り返し触れると、ニキビが悪化することがあります。

特に、マスクの中は汗や皮脂によって蒸れやすく、皮膚への摩擦も起こりやすい環境です。

ニキビを隠すために前髪を下ろし続けたり、無意識に触ったりすることも刺激になります。

肌に合わない化粧品やスキンケア

油分の多い化粧品や、肌に合わないスキンケア用品が毛穴の詰まりや刺激につながる場合があります。

一方で、ニキビを気にして洗浄力の強い製品を使い続けると、皮膚が乾燥し、赤みやヒリつきが強くなることがあります。

ニキビがあるからといって、すべての化粧品や保湿剤を中止する必要はありません。現在の肌に合う製品を選ぶことが大切です。

ニキビの種類

白ニキビ

白ニキビは、毛穴の出口が閉じた状態の面皰です。医学的には「閉鎖面皰」と呼ばれます。

白っぽい小さなふくらみとして見え、痛みや赤みがないこともあります。

見た目が小さくても、毛穴の中には皮脂や角質がたまっています。放置すると、赤ニキビへ進行する可能性があります。

黒ニキビ

黒ニキビは、毛穴の出口が開いた状態の面皰です。医学的には「開放面皰」と呼ばれます。

毛穴の中にある皮脂や角質の一部が空気に触れて酸化し、黒い点のように見えます。皮膚が汚れているから黒くなっているとは限りません。

爪や市販の器具で無理に押し出すと、毛穴周辺の皮膚を傷つけるおそれがあります。

赤ニキビ

赤ニキビは、面皰の中で炎症が起きている状態です。

赤く盛り上がり、触れたときに痛みを感じることがあります。炎症が長く続くと、赤みや色素沈着、凹凸したニキビ跡につながる可能性があります。

黄ニキビ

黄ニキビは、炎症が進み、膿をもった状態です。

先端に黄白色の膿が見えることがあります。目立つため自分でつぶしたくなるかもしれませんが、強く押すと毛穴の壁が傷つき、炎症が周囲へ広がることがあります。

しこりのあるニキビ

皮膚の深い部分まで炎症が広がると、硬いしこりのように触れることがあります。

痛みが強い場合や、同じ場所に繰り返す場合もあります。深い炎症はニキビ跡につながりやすいため、早めの受診をご検討ください。

思春期ニキビと大人ニキビの違い

思春期ニキビと大人ニキビは、どちらも基本的には尋常性ざ瘡です。

思春期は皮脂の分泌が活発になりやすく、額や鼻などにニキビが目立つことがあります。

成人以降は、あごや口周り、フェイスラインなどに繰り返す場合があります。月経周期、乾燥、化粧品、マスクや髪の毛による摩擦などが悪化に関係することもあります。

ただし、年齢やニキビができた場所だけで原因を判断することはできません。ニキビの種類、炎症の程度、肌質、生活環境などを確認したうえで治療を考えます。

ニキビに似た皮膚疾患

顔や体にできた赤いぶつぶつが、すべてニキビとは限りません。

毛包炎、酒さ、口囲皮膚炎、かぶれなど、見た目が似ていても治療方法が異なる病気があります。

同じ大きさのぶつぶつが急に多数現れた場合、強いかゆみがある場合、目の周囲まで赤くなっている場合、胸や背中に広範囲に出ている場合は、自己判断でニキビ薬を塗り続けず、皮膚科で診断を受けることが大切です。

成人女性で月経不順や多毛を伴う場合は、皮膚科の診察に加えて、婦人科や内分泌内科での評価が必要になることもあります。

ニキビで皮膚科を受診する目安

白ニキビや黒ニキビだけでも皮膚科へ相談できます。

特に、赤く腫れたニキビが増えている、痛みや熱感がある、膿をもっている、同じ場所に繰り返す場合は、早めの受診をご検討ください。

顔だけでなく胸や背中にも広がっている、硬いしこりがある、赤みや色素沈着、凹凸したニキビ跡が残り始めた場合も受診の目安です。

市販薬やスキンケアを続けても改善しない場合や、使用している薬によって強い乾燥、赤み、腫れ、ヒリつきが出た場合もご相談ください。

ニキビが気になり、学校、仕事、外出、メイクなど日常生活に影響している場合は、ニキビの数や重症度にかかわらず受診して構いません。

皮膚科で行うニキビ治療

ニキビ治療では、今ある炎症を抑えることと、毛穴の詰まりを改善して新しいニキビをできにくくすることの両方が重要です。

治療方法は、ニキビの種類、数、できている部位、炎症の程度、肌の乾燥や刺激症状、妊娠の可能性、これまでの治療歴などを確認して選択します。

毛穴の詰まりに対する外用薬

白ニキビや黒ニキビなどの面皰には、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの外用薬が用いられます。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、これらの外用薬や配合薬が面皰に対して強く推奨されています。

治療を始めた直後に、乾燥、赤み、皮むけ、ヒリつきなどが出ることがあります。

症状が強い場合は、自己判断で薬の量を増やしたり、我慢して使い続けたりせず、医師へご相談ください。保湿剤の併用や薬の塗り方を調整することで、治療を続けやすくなる場合があります。

アダパレンは、妊娠中または妊娠している可能性がある方には使用できません。妊娠を希望している方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方は、処方前に必ず医師へお伝えください。

炎症を抑える抗菌薬

赤ニキビや黄ニキビなどの炎症性の皮疹には、外用抗菌薬や内服抗菌薬を使用する場合があります。

症状によっては、毛穴の詰まりに働きかける外用薬と組み合わせます。

抗菌薬を必要以上に長く使用すると、薬が効きにくくなる耐性菌の問題につながります。そのため、炎症が落ち着いた後は抗菌薬を終了し、別の外用薬を使用した維持治療へ移行することが一般的です。

面皰圧出

面皰圧出は、医療用の器具を使用して、毛穴にたまった内容物を排出する処置です。

自分の爪や市販の器具で無理に押し出す行為とは異なり、皮膚の状態を確認しながら行います。

すべてのニキビに適しているわけではありません。炎症の程度やニキビの深さによっては、外用薬など別の治療を優先します。

炎症が治まった後の維持治療

赤みや膿が落ち着いても、目に見えにくい毛穴の詰まりが残っていると、新しいニキビができることがあります。

症状が改善した時点ですぐにすべての治療を中止するのではなく、再発を抑えるための維持治療を続けることが大切です。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、炎症が治まった後の維持治療として、アダパレン、過酸化ベンゾイル、両者の配合薬が強く推奨されています。

必要な治療期間には個人差があります。肌の状態を確認しながら、医師と相談して治療方法を調整します。

当院における深いニキビへの治療

一般的なニキビ治療では、症状に合った外用薬を中心に治療を検討します。

にっしん皮フ科・形成外科では、深在性閉鎖面皰や開放面皰など、深く硬い面皰に対して、診察で適応を判断したうえで、CO2レーザーと面皰圧出器具を使用した自由診療をご案内する場合があります。

この治療では、CO2レーザーで毛包内に約0.3ミリメートルの開口部を作り、面皰圧出器具で内容物を取り出します。

すべてのニキビに行う治療ではありません。ニキビの深さ、数、炎症、肌の状態などを確認し、治療の適否を判断します。一般的な外用治療で改善が期待できる場合は、外用治療を優先することがあります。

治療期間の目安は2カ月から4カ月です。治療頻度は週1回程度、治療回数は5回から20回が目安となります。

治療時には、レーザーによる痛みや面皰を圧出する際の刺激を感じることがあります。治療部位の周囲に一時的な表皮剥離や赤みが生じる場合もあります。

開放面皰では再発する場合や、内容物を完全に排出できない場合があります。治療効果や治療後の経過には個人差があります。

治療内容、費用、治療回数、リスクについて説明を受けたうえで、ご希望を確認して治療を行います。

ニキビ跡を防ぐために大切なこと

ニキビ跡には、炎症後の赤み、茶色い色素沈着、皮膚がへこんだ萎縮性瘢痕、盛り上がった肥厚性瘢痕やケロイドなどがあります。

炎症が深く、長く続くほど、跡が残る可能性は高くなります。

ニキビ跡を防ぐためには、赤く腫れる前の面皰から治療することが大切です。ニキビを爪や器具でつぶさず、処方薬を自己判断で中止しないようにしてください。

紫外線は炎症後の色素沈着を目立たせる原因になるため、日焼け止め、帽子、日傘などで肌を守ることも大切です。

赤みや茶色い跡は時間とともに薄くなることがありますが、凹凸として残ったニキビ跡は治療が難しくなる場合があります。

ニキビ跡ができてから治療を考えるのではなく、新しい炎症を増やさないことが重要です。

ニキビを悪化させにくい洗顔方法

ニキビは、不潔にしているからできる病気ではありません。

1日に何度も顔を洗う、スクラブで強くこする、熱いお湯を使用するといった洗顔は、皮膚への刺激や乾燥を招き、炎症を悪化させることがあります。

洗顔は1日2回を目安にします。

洗顔料をよく泡立て、指でこすらず、泡で包むようにやさしく洗います。その後、ぬるま湯で洗顔料が残らないように十分にすすいでください。

洗顔後は、清潔なタオルを皮膚へやさしく押し当てるようにして水分を取ります。

ニキビがあるときの保湿とメイク

皮脂が多く感じる肌でも、ニキビ治療薬の使用中は乾燥や刺激が起こることがあります。

乾燥する場合は、肌に合った保湿剤を併用します。「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示されている製品も選択肢になります。

ただし、すべての方にニキビができないことを保証する表示ではありません。使用後に赤みやかゆみが出た場合は使用を中止し、医師へご相談ください。

ニキビがあるからといって、必ずしもメイクを中止する必要はありません。

ただし、ニキビを隠すために油分の多いコンシーラーを厚く重ねたり、メイクを落とす際に強くこすったりすると、皮膚への負担が大きくなります。

落としやすく、肌に合う製品を選び、帰宅後はメイクを落としてください。スポンジやブラシなど、肌に触れる道具も定期的に洗うことが大切です。

食事とニキビの関係

特定の食べ物だけをニキビの原因と断定することはできません。

日本皮膚科学会は、チョコレート、ケーキ、ピーナッツなどの食べ物とニキビの因果関係は明確になっていないとしています。

特定の食品を食べた後に毎回悪化すると感じる場合は、量や頻度を調整してもよいでしょう。

ただし、思春期は成長期でもあるため、根拠のない過度な食事制限は避け、バランスのよい食事を心がけてください。

ニキビについてよくある質問

白ニキビだけでも皮膚科に行ってよいですか

白ニキビは炎症前の閉鎖面皰であり、皮膚科治療の対象です。

赤く腫れる前から毛穴の詰まりに対応することで、炎症やニキビ跡の予防につながります。

市販薬で治らない場合は受診した方がよいですか

市販薬を使用方法どおりに使っても改善しない場合や、赤みや痛みが強くなった場合、同じ場所に繰り返す場合、ニキビ跡が残り始めた場合は受診をご検討ください。

ニキビに似た別の皮膚疾患である可能性もあります。

ニキビは何日で治りますか

必要な治療期間は、ニキビの種類や炎症の程度によって異なります。

炎症が落ち着いた後も、再発を防ぐための維持治療を続ける場合があります。数日で結果を求めて薬を頻繁に変えるより、医師と経過を確認しながら治療を続けることが重要です。

ニキビをつぶすと早く治りますか

自分でニキビをつぶすことはおすすめしません。

爪や器具で皮膚を傷つけると、炎症、細菌感染、色素沈着、ニキビ跡の原因になることがあります。内容物を排出する必要がある場合は、医療機関で適応を判断します。

妊娠中でもニキビ治療はできますか

妊娠中でも相談できますが、使用できる薬と使用できない薬があります。

アダパレンは、妊娠中または妊娠している可能性がある方には使用できません。妊娠を希望している方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方は、診察時に必ずお伝えください。

さいたま市北区でニキビにお悩みの方へ

ニキビは、数が少ないうちは我慢しやすい一方、炎症を繰り返すと赤みや色素沈着、凹凸したニキビ跡につながることがあります。

大切なのは、今あるニキビだけを見るのではなく、毛穴の詰まり、炎症、肌の乾燥、外部からの刺激、過去の治療歴まで確認し、状態に合った治療を選ぶことです。

さいたま市北区のにっしん皮フ科・形成外科では、ニキビの種類やこれまでの経過を確認し、治療の選択肢、予想される経過、注意点を説明したうえで治療方針を検討します。

白ニキビや黒ニキビ、赤みや痛みを伴うニキビ、繰り返すニキビ、ニキビ跡が気になる方はご相談ください。

医院概要

医院名

医療法人社団 日進会 にっしん皮フ科・形成外科

診療科目

皮膚科、皮膚外科、形成外科、美容皮膚科

所在地

〒331-0823

埼玉県さいたま市北区日進町2-925-1 KTDビル2F

電話番号

048-662-6789

アクセス

JR日進駅から徒歩12分

埼玉新都市交通ニューシャトル大成駅から徒歩10分

診療時間、休診日、予約方法、臨時休診については、公式サイトで最新情報をご確認ください。

執筆・監修

執筆

にっしん皮フ科・形成外科

監修

平岩 亮一

にっしん皮フ科・形成外科 院長

埼玉医科大学卒。専門分野は形成外科、皮膚科、未病医学。日本形成外科学会、日本美容外科学会、抗加齢医学会などに所属。

この記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。個別の診断や治療の代わりになるものではありません。症状や治療の適否については、医師の診察を受けてください。

参考文献

日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」

日本皮膚科学会「皮膚科Q&A にきび」

にっしん皮フ科・形成外科「ニキビの原因・治療・予防」

にっしん皮フ科・形成外科

CATEGORYカテゴリー