「イソトレチノインを飲み始めたけど、ニキビが増えてきて心配‥」と悩んでいませんか?
検索すると「好転反応だから大丈夫」という言葉が並んでいるけど、本当に大丈夫なのか確信が持てないと不安になりますよね。
最初にお伝えしておきたいのは、「好転反応」という言葉は、医学用語ではありません。しかし、実際に起きているのは初期悪化という状況でしょう。
この記事では、好転反応と呼ばれるイソトレチノインの服用初期に起こる変化やその期間、好転反応がひどい時の対処法を初心者向けに分かりやすく紹介していきます。
- イソトレチノインの好転反応とは
- イソトレチノインの好転反応が起こる理由
- イソトレチノインの好転反応がいつまで続くのかの目安
- 「イソトレチノインの好転反応がひどい」と感じたときの見分け方
- イソトレチノインの好転反応を軽くするためにできること
- イソトレチノインの好転反応の時期を乗り切るための考え方
イソトレチノインの好転反応って何のこと?
「好転反応」という言葉は、美容や健康の分野で広く使用されています。 しかし、医療分野ではイソトレチノインの経過を説明するときに使われません。
好転反応は医学用語ではない
好転反応は、「回復に向かう過程で一時的に症状が悪化する現象」という意味で使われる俗称です。とはいえ、医学分野では好転反応という用語は存在しません。
言葉に医学的な定義がないということは、「どこまでが好転反応なのか」という線引きも本来は存在しないということです。あなたが不安になるのは当然で、線引きのない言葉で説明されている限り、判断のしようがありません。
イソトレチノインで実際に起きているのは「初期悪化」
イソトレチノインの服用中の初期にニキビが増える現象は、実際にはないのでしょうか?
米国食品医薬品局(FDA)の添付文書には、患者への説明事項として、一過性のニキビの増悪(フレア)が、一般に治療の初期段階においてみられることがあると明記されています。また、患者向けの説明書きでも、服用を始めたときにニキビが悪化することがあり、その状態は短期間で収まるはずであると説明されています。
この一過性のニキビの増悪は、日本では「初期悪化」と言われており、好転反応に近い状態といえます。
好転反応と初期悪化の考え方
イソトレチノインの初期悪化は、好転反応と似ていますが、公的資料として示されていて性質が異なります。
| 項目 | 好転反応 | 初期悪化(一過性の増悪) |
|---|---|---|
| 医学的な定義 | ない | ある |
| 公的資料の記載 | ない | FDAの添付文書に記載 |
| 起こる時期 | 定まっていない | 治療の初期段階 |
| 続く期間 | 定まっていない | 短期間 |
| 対応の指針 | ない | 症状によって継続か中止かを医師が判断 |
「好転反応だから様子を見る」ではなく、「好転反応は、イソトレチノインの初期悪化の範囲内か」を判断するようにしましょう。
一般的に言われるイソトレチノインの好転反応と呼ばれる現象は、医学的には初期悪化として説明でき、公的資料にも記載のある想定された経過と考えます。
イソトレチノインの好転反応はなぜ起こるのか?
イソトレチノインの好転反応と呼ばれる現象がなぜ起きるのかを理解すると、その期間を耐える意味が見えてきます。
好転反応は、皮脂腺が急速に縮小する過程で起きている
イソトレチノインの服用は、皮脂腺の機能と角化を抑制して、皮脂腺のサイズが小さくなり、皮脂腺の分化が抑えられることで、皮脂の量が減っていきます。
皮脂腺という組織が急激に変化する過程で、毛穴の環境も一時的に不安定になります。 イソトレチノインの好転反応と呼ばれる時期は、この不安定な移行期にあたると考えられています。
隠れていた微小面皰が表面化する
肌の表面に見えているニキビは、あなたの毛穴で起きていることの一部にすぎません。毛穴の奥には、まだ目に見えない小さな詰まり(微小面皰)が多数存在しています。
イソトレチノインによって角化の状態が変化すると、奥に隠れていた詰まりが順番に表面化してくると考えられています。
つまり、好転反応の時期に増えて見えるニキビの多くは、新しく生まれたものではなく、もともと存在していたものが姿を現したものです。
「あなたの肌が悪くなったのではなく、隠れていたものが前倒しで出てきている」ことを理解すると、好転反応の時期の受け止め方が変わるでしょう。
好転反応が出た人だけが効いているとは言い切れない
「好転反応が出ているのはイソトレチノインが効いている証拠なの?」と疑問に思いますよね。
好転反応はイソトレチノインのを服用した過程で起こることですが、初期悪化がまったく起こらないまま順調に改善していく方も多くいます。
好転反応の有無と最終的な効果の大きさが比例するという根拠は示されていません。好転反応が出ないことを不安に思う必要はありませんし、逆に好転反応が出たことを喜ぶ必要もありません。
イソトレチノインの好転反応はいつまで続くの?
FDAの添付文書では、一過性のニキビの増悪が一般に治療の初期段階においてみられるとされています。
実際には、イソトレチノインの服用を開始してから、2週間〜1ヶ月頃に変化を自覚する人が多い傾向があります。
服用開始直後の1〜2週間は、ニキビの増悪よりも先に唇や肌の乾燥が現れることがほとんどです。乾燥が出てきたあとに、ニキビの増加を感じ始めるという順番が一般的と覚えておきましょう。
好転反応(初期悪化)が続く期間の目安
FDAの添付文書には、初期悪化は短期間で治るはずであると説明されていますが、具体的な週数までは示されていません。
個人差はありますが、イソトレチノインを服用している人は次の経過をたどる人が多いでしょう。
- 服用開始から2週間〜1ヶ月ごろ:ニキビの増加を自覚し始める
- 服用開始から1〜2ヶ月ごろ:好転反応が最も強く感じられる時期
- 服用開始から2〜3ヶ月ごろ:新しいニキビの発生が減り始める
- 服用開始から3ヶ月以降:赤みが引き、肌全体が落ち着いてくる
イソトレチノインの好転反応がいつまで続くかの目安は、おおむね1〜2ヶ月程度と考えておくと、心の準備がしやすくなりますよ。
3ヶ月を過ぎても好転反応が続く場合
イソトレチノインの服用開始から3ヶ月を過ぎても炎症性のニキビが増え続けている場合、初期悪化として説明することは難しくなります。
- 用量が体重に対して不足している
- 空腹時の服用で吸収が不十分になっている
- そもそもニキビ以外の疾患が混在している
- 後述する重い増悪が起きている
3ヶ月という区切りは、好転反応という説明を続けてよいかどうかを見直すタイミングです。3ヶ月をすぎても変化が乏しい場合は、肌の経過と用量の確認を医師と相談して行いましょう。
「イソトレチノインの好転反応がひどい」と感じたときの見分け方
イソトレチノインの服用中の変化をすべて好転反応として片付けてはいけません。
好転反応(初期悪化)として説明がつく変化と中止を検討した方がいい変化の見極め方をお伝えしていきます。
好転反応(初期悪化)として説明がつく変化
次のような変化であれば、好転反応(初期悪化)の範囲内として経過を見られることが多くなります。
- 軽度から中等度の炎症性のニキビが、いつもより多く出ている
- 出たニキビが、以前より早く治まっている
- 顔全体ではなく、もともとニキビができやすかった部位に集中している
- 発熱や強い痛みを伴っていない
- 服用開始から2ヶ月以内に起きている
好転反応では説明がつかない、中止して連絡すべき症状
一方で、次のような症状は好転反応(初期悪化)ではなく、対応が必要な副作用の可能性があります。
- 強い痛みを伴う大きな結節や膿疱が、急速に広範囲へ広がっている
- 発熱、倦怠感、関節の痛みを伴っている
- 強い頭痛、視界のかすみ、吐き気や嘔吐がある
- 激しい腹痛、下痢、血便がある
- 気分の落ち込みやいらだちが続いている
- 聴力の低下や耳鳴りがある
「好転反応がひどい」と感じたとき、早急に判断するべきポイントは痛みと全身状態の変化です。
発熱・倦怠感・関節痛を伴う急激な悪化は、様子を見てよい状態ではありません。次の予約を待たず、服用を中止して処方してもらった病院へ連絡してください。
イソトレチノインの好転反応を軽くするためにできることは?
イソトレチノインの好転反応の時期は、過ごし方によって体感が変わります。まずは、日常的にできるケアを継続していきましょう。
乾燥の変化を見越して先回りして保湿ケア
イソトレチノインの好転反応の時期は、乾燥が同時に進行するため肌のバリア機能が落ちています。
バリア機能が落ちた肌は炎症を起こしやすく、好転反応をより強く感じてしまうため、先回りした保湿ケアが重要です。
- ワセリンを使用して唇をケア
- 高保湿クリームによる全身のケア
- 点眼薬による目のケア
- 洗顔は1日2回まで、こすらずに泡でやさしく洗う
イソトレチノインの服用初日から上記のケアは継続していきましょう。
ニキビは触らない、潰さないを徹底する
好転反応の時期にできたニキビを潰してしまうと瘢痕として残るリスクが高まります。
イソトレチノインの服用中は皮膚が脆くなり、傷の治りも遅くなります。この時期に潰した跡は、治療が終わっても残りやすいということを覚えておいてください。
写真で記録を残していく
好転反応の時期は、毎日鏡を見ているとニキビが悪化しているようにしか感じられません。
できるだけ「同じ照明、同じ角度、同じ時間帯」で写真を残しておくと、日々の変化やニキビの減るスピードに気づくことができます。
写真での記録を残しておくと、イソトレチノインを続けていく上でのあなたの心の支えにもなりますよ。
大切な予定から逆算して開始時期を決める
結婚式、成人式、就職活動の面接など、外せない予定がある場合は、好転反応の時期と重ならないよう逆算しましょう。
好転反応が最も強く出やすいのは服用開始から1〜2ヶ月ごろであるため、大切な予定の3ヶ月以上前に開始しておくと不安を減らせるでしょう。
イソトレチノインの好転反応の時期を乗り切るための考え方
イソトレチノインの好転反応の時期に治療を中断してしまう人も、決して少なくありません。
好転反応の時期をうまく乗り切るためのポイントをお伝えします。
途中でやめると時間と費用が結果に結びつかない
FDAの添付文書では、1日あたり体重1kgにつき0.1mg、0.5mg、1.0mgを比較した試験で、低い用量ではいずれも初期の改善が得られたものの、再治療が必要になる割合が高かったと記載されています。
イソトレチノインの服用を始めて、好転反応の時期に自己判断で中止すると目標とする総投与量に届かないまま治療が終わります。
つらい時期こそ自己判断で中止するのではなく、医師に相談して対策を検討してもらいましょう。
中止という判断そのものは、間違いではない
一方で、前述の中止すべき症状に該当する場合、中止は正しい判断です。
「耐えること」と「我慢すること」は違います。 医師と相談したうえでの中止は、治療の失敗ではなく間違いのない選択です。
好転反応の時期を短く感じるための工夫
- 好転反応が最も強い時期は1〜2ヶ月であると、あらかじめ期間を区切って認識しておく
- 日々の写真を撮影し、変化を数値ではなく画像で確認する
- 唇と肌の乾燥ケアを毎日のルーティンに組み込む
- 気分が落ちたときに相談できる相手を、治療開始前に決めておく
気分の落ち込みが続く場合は、皮膚科だけで抱え込まず、心療内科や精神科、相談窓口につながることも選択肢です。














