「イソトレチノインの副作用っていつまで続くの?」「太る噂が本当か気になる…」と不安に思っていませんか?
イソトレチノインの副作用がどのくらいの割合で起こるのか、いつまで続くのか、中止すれば戻るのか、この3点は治療の開始を悩んでいるあなたも知っておきたい大切なポイントですよね。
この記事では、イソトレチノインの副作用を頻度と期間の両面から整理します。そして、知恵袋で見かける不安や「太る」疑問についても詳しく紹介していきます。
- イソトレチノインの副作用の頻度
- イソトレチノインの副作用はいつまで続くのか
- イソトレチノインの副作用で「太る」噂の真相を説明
- 知恵袋の構造を理解すると見えてくるもの
- イソトレチノインの副作用を軽くするためにできること
- 日本でイソトレチノインの副作用が生じた場合の注意点
イソトレチノインの副作用の頻度はどのくらい?
イソトレチノインの副作用は、起こる頻度によってまったく異なる性質があります。
- イソトレチノインの副作用①:ほぼ全員に起こる、皮膚と粘膜の乾燥
- イソトレチノインの副作用②:血液検査の異常(肝機能低下・膵炎・脂質異常症など)
- イソトレチノインの副作用③:身体の痛み(筋肉痛、関節痛、背中の痛みなど)
- イソトレチノインの副作用④:頻度は低いものの注意が必要なもの
- イソトレチノインの副作用⑤:胎児への催奇形性(女性特有)
まず、ほぼ全員に起こる変化と稀にしか起こらないものを分けて把握しておきましょう。
イソトレチノインの副作用①:ほぼ全員に起こる、皮膚と粘膜の乾燥
口唇炎(唇の乾燥とひび割れ)・皮膚の乾燥・鼻の乾燥と鼻出血・目の乾燥は、イソトレチノインの服用中に高頻度でみられる副作用です。
米国食品医薬品局(FDA)の添付文書では、イソトレチノインの副作用の多くが、ビタミンAを大量に摂取した場合の症状と似ていると説明されています。
皮膚の乾燥という副作用は、イソトレチノインの期待される効果で皮膚の分泌が減ってきている結果でもあります。
避けれない変化である一方で、普段以上に保湿を徹底することで日常生活への影響を減らすことができます。
イソトレチノインの副作用②:血液検査の異常(肝機能低下・膵炎・脂質異常症など)
イソトレチノインの副作用のうち、自覚症状がないまま進むのが血液検査の異常です。FDAの添付文書に記載されている頻度は次のとおりです。
| 検査項目 | 臨床試験で報告された頻度 |
|---|---|
| 中性脂肪の著明な上昇 | 約25% |
| HDLコレステロールの低下 | 約15% |
| 肝酵素の軽度から中等度の上昇 | 約15% |
| 総コレステロールの上昇 | 約7% |
FDAの添付文書では、これらの脂質への影響は服用の中止によって可逆的であったと記載されています。
また、体重の減少や脂質の制限・飲酒の制限・用量の調整によって、イソトレチノインの服用を続けながら中性脂肪の上昇を改善できた例があるとも記されています。
血液検査を定期的に受けている限りこの副作用は把握できますが、本当に危険なのは、検査を受けずに飲み続けることです。
イソトレチノインの副作用③:身体の痛み(筋肉痛、関節痛、背中の痛みなど)
FDAの添付文書によれば、臨床試験では約16%の患者が関節痛を含む筋骨格系の症状を経験したと報告されています。症状の多くは軽度から中等度で、まれに服用の中止が必要になる場合があったとされています。
身体の痛みがある時は、症状の悪化を防ぐためにも、激しい運動は控えましょう。軽い運動なら問題ありません。
イソトレチノインの副作用④:頻度は低いものの注意が必要なもの
イソトレチノインの副作用で頻度は高くないものの、次の症状には注意が必要です。
- 頭蓋内圧亢進(強い頭痛、視界のかすみ、吐き気、嘔吐、けいれん)
- 膵炎
- 炎症性腸疾患に関連する症状(腹痛、下痢、血便)
- 重篤なアレルギー反応
- 聴力の低下や耳鳴り
- 夜間視力の低下
強い症状が1週間以上続くようであれば、早めに受診して相談しましょう。
イソトレチノインの副作用⑤:胎児への催奇形性(女性特有)
女性にとって最も重大な副作用は、胎児への催奇形性のおそれがあることです。
イソトレチノインの服用期間中とその前後1ヶ月間は、妊娠してはいけないという原則は、乾燥や検査値とは次元の異なるルールとして扱ってください。
イソトレチノイン服用期間中は、妊娠の可能性がないか妊娠検査薬で確認するまたは確実な避妊(低用量ピルなど)を行うようにしましょう。
イソトレチノインの副作用はいつまで続くの?
イソトレチノインの副作用がいつまで続くのか気になっている人も多いですよね。
| 時期 | 回復が見込まれる副作用 |
|---|---|
| 中止後1週間 | 薬そのものが体から消えていく |
| 中止後2〜4週間 | CPKの上昇が正常化する例が多い 唇や肌の乾燥がだんだん良くなる |
| 中止後1〜2ヶ月 | 中性脂肪や肝酵素の数値が戻る例が多い |
| 中止後6〜7週間 | 角膜混濁が消失または消失に向かう |
| 中止後2〜6ヶ月 | 筋肉と関節の症状、抜け毛が落ち着いてくる |
おおよその目安は上記の通りですが、副作用の種類別に詳しくみていきましょう。
薬そのものが体から抜けるまでの期間
FDAの添付文書によると、イソトレチノインの血中半減期は約21時間、主要な代謝物である4-oxo-isotretinoin の半減期は約24時間です。
要するに、イソトレチノインそのものは、中止からおおむね数日から1週間程度で体から消えていきます。
それでも副作用がすぐ消えないのは、薬が残っているからではなく、薬によって変化した組織が回復するまでに時間がかかるためです。
唇や肌の乾燥の副作用はいつまで続くの?
唇や肌の乾燥という副作用が続く期間は、皮脂腺が回復する速度に連動しています。
乾燥がだんだんと良くなってくるのは、2週間〜2ヶ月くらいが目安となっていますが、個人差も大きいでしょう。
基本的には、イソトレチノインを辞めた後もしばらくは保湿が必要になる前提で計画を立ててください。
血液検査の異常という副作用はいつまで続くの?
FDAの添付文書には、脂質への影響が服用の中止によって可逆的であったと記載されています。
また、脂質の反応が確定するのは通常4週間以内とされており、中止後1〜2ヶ月の時点で再検査を行うと、回復の有無を確認しやすくなります。
イソトレチノイン中止後も持続する可能性がある副作用
稀にですが、イソトレチノイン中止後も持続する可能性がある副作用は、以下のとおりです。
- 聴力の低下
- 夜間視力の低下
- 一部の脱毛
- 炎症性腸疾患に関連する症状
「イソトレチノインの副作用が残る」という表現は、上記の4項目については正しいでしょう。服用初期に起こる一時的な変化と副作用は異なるため、区別して考えていくことが重要です。
イソトレチノインの副作用で「太る」噂は本当なの?
イソトレチノインで「太る」という声を耳にすると、心配になってしまいますよね。
結論からお伝えすると、イソトレチノインの服用で直接的に太ることはありません。
体重増加や太る副作用は記載されていない
FDAの添付文書の副作用一覧記載されているのは、「体重減少」です。体重の増加、すなわち「太る」ことは副作用としては紹介されていません。
知恵袋やSNSの口コミで「イソトレチノインは太る」というのも目にしたとしても、イソトレチノインの服用が直接的に体重を増やしたと結論づけることはできないと理解しておきましょう。
中性脂肪が上がることと、太ることは別のこと
「イソトレチノインで太る」と誤解が広がった原因は、血液検査の異常である中性脂肪の上昇という副作用が考えられます。
しかし、中性脂肪は血液中の脂質の濃度を示す数値であり、体脂肪の量や体重を直接示すものではありません。
血液検査で中性脂肪が上がっていても、体重が1kgも増えていないという方は珍しくありません。逆に、体重が変わらないまま中性脂肪だけが上昇することもあります。
イソトレチノインの副作用であなたが確認すべきなのは、体重の数字ではなく、血液検査のデータになります。
それでも体重が増える人がいる3つの理由
イソトレチノインが直接的に作用していないとはいえ、服用中に体重が増える人も実際に存在するでしょう。
イソトレチノイン服用中に太る可能性として考えられるのは、以下の3つです。
- イソトレチノイン服用中に「太る」可能性①:食後の服用を意識しすぎて、摂取カロリーが増えた
- イソトレチノイン服用中に「太る」可能性②:乾燥や身体の痛みによって活動量が落ちた
- イソトレチノイン服用中に「太る」可能性③:気分の変化が食欲に影響している
イソトレチノイン服用中に「太る」可能性①:食後の服用を意識しすぎて、摂取カロリーが増えた
イソトレチノインは、空腹時ではなく食事と共に服用または食後での服用が推奨されています。
イソトレチノインの吸収率を上げようとして、1日2回の服用に合わせて意図的に脂質の多い食事を追加してしまうという行動をとってしまうと太る原因につながります。
1日2回の服用を4〜5ヶ月継続しますが、この時の食事の脂質を上げていたら総量は決して小さくありません。
イソトレチノインの副作用で太るのではなく、服薬習慣に合わせた食事の変化が体重を増やしているという構図が、実際には多いと考えられます。
イソトレチノイン服用中に「太る」可能性②:乾燥や身体の痛みによって活動量が落ちた
イソトレチノインの副作用で身体の痛みや違和感があると、運動の頻度が自然に下がってしまうことが考えられます。
また乾燥が気になって紫外線を避ける行動で、屋外での活動を控える人も増えます。
これらの理由からイソトレチノイン服用前に比べて活動量が落ちれば、食事量が同じでも体重が増えてしまうケースが起こります。
イソトレチノイン服用中に「太る」可能性③:気分の変化が食欲に影響している
FDAの添付文書では、うつ症状の徴候の1つとして体重や食欲の変化が挙げられています。
気分の落ち込みによって食習慣が変わり、結果として体重が増減することが起こりえます。体重の増加とあわせて気分の落ち込みや睡眠の変化を感じている場合は、体重よりも気分の変化を優先して医師に相談してください。
体重を増やさずにイソトレチノインの吸収を保つ食べ方
イソトレチノイン吸収を確保しながら体重増加を避けるには、次の考え方が有効です。
- 食事を追加するのではなく、いつもの食事の時間に合わせて服用する
- 脂質を「増やす」のではなく、脂質を含む食事のタイミングに「合わせる」
- 揚げ物を足すのではなく、卵、乳製品、ナッツ、青魚など質の良い脂質を選ぶ
- 服用のために夜遅い時間に食事を追加しない
イソトレチノインの吸収に必要なのは、大量の脂ではなく脂質を含む通常の食事であることを覚えておきましょう。
【イソトレチノイン副作用】知恵袋の構造を理解すると見えてくるもの
知恵袋の投稿は、あなたの不安を映す鏡であると同時に、不安を増幅させるツールでもあります。
とはいえ、知恵袋やSNSの構造的な特徴を理解すれば、すべてを受け止める必要がないことがわかりますよ。
「イソトレチノイン副作用」の知恵袋の情報が怖いと感じる構造的な理由
知恵袋やSNSでは、イソトレチノインの副作用が出なかった人はほとんど書き込みません。
なぜなら、イソトレチノインで順調に治療を終えた人は、わざわざ投稿する必要性を持たないからです。
その結果、知恵袋やSNSで発信される情報は、自然とイソトレチノインの副作用を経験した人に偏ってしまい、分母が見えないまま分子だけが並んでいるという状態が出来上がります。
「イソトレチノイン副作用」の知恵袋を読むときの3つの視点
「イソトレチノイン副作用」と検索し、知恵袋の投稿が出てきたら3つの視点を持って読み進めましょう。
- 投稿者の服用量と期間が書かれているかを確認する
- イソトレチノインの量も投薬期間も不明な投稿は、あなたの経過を予測する材料になりません
- 医師の管理下だったのか、個人輸入だったのかを確認する
- 血液検査を受けていない状態での服用は、前提がまったく異なります
- 投稿の件数を頻度と混同しない
- 知恵袋には分母が存在しません
知恵袋の投稿を否定する必要はありませんが、すべての情報を鵜呑みにして怖がる必要はまったくないです。
イソトレチノインの副作用を軽くするためにできること
イソトレチノインの副作用は、日々の対策によって程度を減らせる可能性があります。
まずは、日常生活で実践できることから確認していきましょう。
乾燥は起きてから対処せず、先回りして防ぐ
イソトレチノインの副作用である「乾燥」は、多くの人に起こる肌の変化です。
そのため、イソトレチノインの服用開始と同時に日々の乾燥対策やケアを継続する方法がおすすめです。
- ワセリンを使用して唇をケア
- 高保湿クリームによる全身のケア
- 点眼薬による目のケア
- 洗顔は1日2回まで、こすらずに泡でやさしく洗う
乾燥という副作用をコントロールできるかどうかが、治療を最後まで続けられるかどうかを左右します。
イソトレチノインは必ず食事とともに服用する
イソトレチノインは、空腹時の服用では吸収量が半分以下になる可能性があります。
イソトレチノインの吸収率を上げるためにも、いつもの食事のタイミングに服用を合わせるという運用が副作用と体重の両面で最も無理がありません。
イソトレチノイン服用中の血液検査を省略しない
イソトレチノイン服用中の血液異常(中性脂肪や肝酵素の変動)は、自覚症状なく進みます。
とはいえ、イソトレチノイン服用中も血液検査を受けていれば、副作用は数値の段階で捉えられます。
血液検査を行わずに服用を続けることは、副作用のリスクが高まると理解しましょう。
イソトレチノイン服用中の体重と体調を記録する
イソトレチノイン服用中の変化を記録しておくと、効果の出方や副作用の変化を客観的に把握することができます。
「太った気がする」という感覚だけでは評価は難しいですが、実際の数値を確認できると検証できますよね。
日本でイソトレチノインの副作用が生じた場合の注意点
イソトレチノインは、日本の医薬品医療機器等法において医薬品として承認されておらず、自由診療となります。国内で同程度の効能・効果で承認されている医薬品も存在しません。
日本には、医薬品を適正に使用したにもかかわらず生じた副作用による健康被害に対して医療費などを給付する医薬品副作用被害救済制度があります。
ただし、医薬品副作用被害救済制度の対象は国内で承認された医薬品であり、未承認医薬品であるイソトレチノインによる副作用は救済の対象になりません。
副作用が生じた場合も、自費診療での対応が必要になることを理解しておきましょう。














