イソトレチノインの値段を調べ始めたあなたは、おそらく1つの壁にぶつかっているはずです。
クリニックごとに提示される金額がばらばらで、しかも多くが「1ヶ月あたり」の表示になっているため、結局この治療にいくらかかるのかが最後まで分からないと悩んでしまいますよね。
ニキビ治療のイソトレチノインは、数ヶ月にわたって続くため、月額の安さだけで選ぶと危険です。
この記事では、イソトレチノインの値段が決まる構造と総額を概算する方法をお伝えしていきます。
- イソトレチノインの値段が高く感じられる4つの理由
- ニキビのイソトレチノイン治療で実際に必要な費用の内訳
- イソトレチノインの値段は「月額」ではなく「総量」で決まる理由
- イソトレチノインの値段を確認するときに聞くべきこと
- イソトレチノインの値段を安く見せる選択肢に潜む落とし穴
イソトレチノインの値段が高く感じられる4つの理由
イソトレチノインの値段は、薬そのものの価格だけで決まっているわけではありません。日本の医療制度の構造が、値段の水準を大きく押し上げています。
- イソトレチノインの値段が高く感じる理由①:健康保険が使えず、全額が自己負担
- イソトレチノインの値段が高く感じる理由②:保険診療との併用が原則としてできません
- イソトレチノインの値段が高く感じる理由③:医師の個人輸入によって供給される
- イソトレチノインの値段が高く感じる理由④:高額療養費制度の対象にならない
イソトレチノインの値段が高く感じる理由①:健康保険が使えず、全額が自己負担
イソトレチノインは日本の医薬品医療機器等法において医薬品として承認されていません。 そのため、イソトレチノインを用いたニキビ治療は自由診療となり、すべて全額があなたの自己負担になります。
保険診療であれば自己負担は原則3割ですが、自由診療では10割負担になります。 同じ内容の診療を受けても、単純計算で3倍以上の値段になるという構造がここにあります。
イソトレチノインの値段が高く感じる理由②:保険診療との併用が原則としてできません
厚生労働省は、保険が適用されない保険外診療を受けた場合、保険が適用される診療も含めて医療費の全額が自己負担になると説明しています。
例外として保険診療との併用が認められるのは、評価療養、患者申出療養、選定療養の3つに限られます。
つまり、同じニキビに対して、保険で外用薬をもらいながらイソトレチノインを併用するという形は原則として取れません。
イソトレチノインの値段を考えるときは、保険診療で受けていたニキビ治療の費用が自由診療に置き換わることも含めて計算する必要があります。
イソトレチノインの値段が高く感じる理由③:医師の個人輸入によって供給される
イソトレチノインは国内で承認されていないため、医師が個人輸入という形で入手して処方しています。
国内の薬価基準が存在せず、輸入経路や為替の影響を受けるため、同じ薬でも医療機関によって薬剤費に差が生じます。
クリニック毎でイソトレチノインの値段のばらつきが大きいのは、公定価格が存在しないことが最大の理由です。
イソトレチノインの値段が高く感じる理由④:高額療養費制度の対象にならない
高額療養費制度は、保険診療の自己負担額を対象とする仕組みであり、自由診療であるイソトレチノイン治療には適用されません。
どれだけ値段が高額になっても、公的な上限は働かないという前提を最初に理解しておいてください。
イソトレチノインの値段が高く感じられる理由は、薬の原価ではなく、自由診療という制度上の位置づけにあります。
ニキビのイソトレチノイン治療で実際に必要な費用
イソトレチノインの値段を薬代だけで考えると、必ず見積もりより必要な費用が増えてしまいます。
まずは実際に必要になる費用の内訳を確認してみましょう。
| 診察料 | 治療期間分の診察料が必要になる |
|---|---|
| 薬剤費 | イソトレチノインの値段の中心 |
| 血液検査費 | 開始前と開始後1ヶ月、以降は1〜2ヶ月ごとを目安に必要 |
| 妊娠検査費(女性に特有の項目) | 治療開始前〜開始後1ヶ月で妊娠検査が必要になることもある |
| 併用する外用薬と保湿剤 | 乾燥対策用で保湿剤等が必要になる |
イソトレチノイン治療で必要な費用①:診察料
イソトレチノインは自由診療のため、初診料も再診料も全額自己負担になります。
治療期間はおよそ4〜5ヶ月に及ぶため、再診料は月1回として最低でも4〜5回分が必要になります。
イソトレチノイン治療で必要な費用②:薬剤費
イソトレチノインの値段の中心となる項目です。
1日の服用量とカプセルの規格・治療期間によってイソトレチノインの薬代総額が決まります。
月額表示のクリニックでは、この薬剤費だけを指していることが多い点に注意が必要です。
イソトレチノイン治療で必要な費用③:血液検査費
FDAの添付文書では、治療開始前および治療中に肝機能と血中脂質の検査を行い、反応が確定するまで週単位または隔週で実施することが推奨されています。
イソトレチノイン服用前・服用開始から1ヶ月後・後は1〜2ヶ月ごと
上記の期間で血液検査を行い、検査データの異常がないか確認していくことが一般的です。
イソトレチノイン治療で必要な費用④:妊娠検査費(女性特有の項目)
女性のイソトレチノイン服用において、値段の見積もりで最も見落とされやすいのが妊娠検査の費用です。
FDAの添付文書では、妊娠可能な女性について次の検査が求められています。
- 治療開始前に2回の陰性確認
- 治療中は毎月1回
- 治療終了時に1回
- 治療終了から1ヶ月後にもう1回
5ヶ月のコースを想定すると、妊娠検査はおよそ9回ほど必要になります。 ニキビのイソトレチノイン治療の値段を女性が試算する場合、この9回分もあらかじめ組み込んでおくことをおすすめします。
イソトレチノイン治療で必要な費用⑤:併用する外用薬と保湿剤
イソトレチノイン服用中は、肌の乾燥が避けられないため、保湿剤やリップクリーム、点眼薬などが必要になります。
前述のとおり保険診療との併用が原則としてできないため、保湿剤も自費で購入することが多くなります。
見積もりで見落とされやすい項目
イソトレチノイン服用中で見落とされやすい費用は、次の通りです。
- 2コース目が必要になった場合の費用
- 治療終了後の維持療法にかかる費用
- 通院の交通費
- 予約変更やキャンセルに関する費用
細かい費用が追加で加算されるケースもあるため、少し多めに見積もっておくと急な負担が苦にならないでしょう。
イソトレチノインの値段は「月額」ではなく「総量」で決まる
イソトレチノインの値段は、月額の料金ではなく、あなたに必要な総量で決まります。
イソトレチノインの必要量と服用期間
FDAの添付文書には、イソトレチノインの標準的な用法として1日あたり体重1kgにつき0.5〜1.0mgを2回に分け、食事とともに15〜20週間服用すると示されています。
この2つの数字を掛け合わせると、1コースで必要になる総量の範囲が計算できます。
同じ期間でもイソトレチノインの総額が大きく変わる理由
例えば、1ヶ月あたりの薬剤費用は一緒であっても、容量が異なれば総額も大きく変わります。
- 1日20mgを5ヶ月続ける人(軽症〜中等症ニキビの人や体重が軽い人)
- 1日40mgを5ヶ月続ける人(重症にニキビの人や体重が多い人)
イソトレチノインの値段が安くなるのは、1日の服用容量が少ない場合です。
とはいえ、必要なイソトレチノインの総量を満たせなければ期待される効果が得られない可能性があるため、医師の指示に従いましょう。
あなたの総額をご自身で概算する方法
次の3ステップで、おおよその総額が見えてきます。
- あなたの体重から必要な総量を算出する
- 0.5~1.0 mg/kg/日で必要な総量がでます
- カプセル数に換算します
- 総量を1カプセルの規格(10mgまたは20mg)で割るとカプセル数が出ます
- 診察料と検査費を足します
- カプセル単価に必要数を掛けた金額に、再診料4〜5回分、血液検査3〜5回分、妊娠検査9回前後を加算します
イソトレチノインにかかる費用をある程度把握しておくと、提示された値段が適切なのか判断することができます。
イソトレチノインの値段を確認するときに聞くべきこと
イソトレチノインの値段の情報は、あなたが求めれば必ず提示されるべきものです。
まずは、以下の項目を診察時にからならず確認しましょう。
- 1コースの総額はいくらになるか:月額ではなく、治療完了までの合計額を確認
- その金額に血液検査と妊娠検査は含まれているか:別途請求になるケースが少なくありません
- 私の体重で目標とする総量はどれくらいか:総量が示されない場合、総額も計算できません
- 再診料は1回いくらで、何回通う想定か:通院回数は総額に直結します
- 途中で用量を変更した場合、値段はどう変わるか:増量した場合の追加費用を確認しておく
- 2コース目が必要になった場合の費用はどうなるか:再治療の可能性は事前に把握しておくべき項目です
イソトレチノインの総額が提示できない場合の考え方
イソトレチノインは、効果の出方によって用量調整の可能性があるため、1円単位の総額を最初から示すことは現実には困難です。
しかし、下限と上限のある「幅」としての総額であれば必ず提示することが可能です。
これを濁される場合は、あなたが治療の見通しを立てられないという意味で値段以前の問題があります。
オンライン診療で受ける場合に確認すること
オンライン診療でもイソトレチノインを処方してもらうことが可能です。
オンライン診療は、通院の負担が小さいですが、一方で血液検査や妊娠検査をどこで受けるのかという問題が生じます。
検査を外部の医療機関で受ける場合、その費用は別建てになります。 値段を比較する際は、検査費を含めた実質的な総額で比べてください。
イソトレチノインの値段は、総額・検査費の有無・通院回数の3点を確認すれば、医療機関ごとの比較が可能になります。
イソトレチノインの値段を安く見せる選択肢に潜む落とし穴
イソトレチノインの値段を安く見せる方法には、リスクを伴うものもあるため注意が必要です。
イソトレチノインの個人輸入が安く見える理由
海外通販サイトや個人輸入代行では、イソトレチノインを購入するだけで、診察料も検査費も発生しないため、表面上の値段は大きく下がります。
しかし、イソトレチノインの個人輸入は、偽造品を含む可能性もあり、副作用のリスクからも推奨されていません。
そして基本的には、イソトレチノインは数量に関係なく、医師の処方せんまたは指示書に基づき必要な手続きを行わない限り個人輸入することはできません。
医薬品副作用被害救済制度の対象外
日本には、医薬品を適正に使用したにもかかわらず生じた副作用による健康被害に対して医療費などを給付する医薬品副作用被害救済制度があります。
ただし制度の対象は国内で承認された医薬品であり、未承認医薬品であるイソトレチノインによる健康被害は救済の対象になりません。
そのため、副作用が生じた場合のその治療費も原則としてあなたの自己負担になります。イソトレチノインの値段を考えるときは、薬代だけでなく、この潜在的な費用リスクも視野に入れてください。
低用量にして値段を抑える判断のリスク
イソトレチノインの1日の服用量を減らせば、月々の値段は下がります。
しかし、FDAの添付文書には、1日あたり体重1kgにつき0.1mg、0.5mg、1.0mgを比較した試験で、低い用量ではいずれも初期の改善が得られたものの、再治療が必要になる割合が高かったと記載されています。
目先の値段を下げた結果として、2コース目が必要になれば総額はむしろ増えます。
イソトレチノインの用量は値段ではなく、あなたの体重と重症度から医師が決めるべき項目であることを理解しましょう。
途中でやめると、支払った値段が成果に結びつきません
イソトレチノインが総量に届かないまま治療を終えると、再発しやすい状態のまま費用だけが確定します。
イソトレチノインの値段で最も無駄になりやすいのは、中途半端に終わった治療費です。
服用を始める前に、しっかりと完走できる金額かどうかを冷静に判断しましょう。














