形成外科
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形成外科とは
形成外科治療では、なるべく瘢痕(傷跡)が残らないようにすることを大きな理念として掲げています。そのため、小さなトラブルでも一つひとつ丁寧に時間をかけて治療を行います。特に縫合処理では、毛穴に引っ掛けて縫ったり浅く縫ったりすると、糸が露出するなどの不具合の原因となるので、細心の注意を払いつつ丁寧な処置を行います。
よくあるお悩み
当院の形成外科には、このようなトラブルのお悩みが多く寄せられています。同様のトラブルでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
ニキビ
中学・高校生のお子様から「ニキビが治らない」と相談されます。最近は口コミが広がっているせいか、相談数が増加傾向にあります。
塗布治療ではニキビに芯が残ってしまい、その状態では炎症を再発して傷になりやすいリスクがあります。当院では抜本的な治療として、炭酸ガスレーザー治療を採用。ニキビに微細な穴開けをしてニキビの芯を取り出します。
レーザー治療はニキビ一つひとつに行います。一人300個以上のニキビがあるので、治療には数カ月が必要です。
頭やすねのかゆみ
頭のかゆみは、頭皮に初期の毛包炎が頻発している状態です。汗の水分と皮脂の脂分が混じって乳化し、それが毛穴に入り込んで蓄積することで炎症が起こります。症状が進行すると頭皮がベタベタして脂漏性皮膚炎に発展します。治療には塗り薬や薬用シャンプー薬が使用されます。
すねのかゆみは、すねに多数存在する毛穴が炎症を起こしている症状です。かゆみ部分をこすったりすると、貨幣のような形のようになるので「貨幣状皮膚炎」と呼ばれています。
主な疾患に対する治療法
熱傷(やけど)
一般的な熱傷治療では、まず水疱を破いてワセリンを用い、ラップで密閉する方法が主流です。しかし、広範囲な水疱をいきなり破ると、激痛となります。そのため当院では、まず穿刺針で多数の穴を明けて廃液し、特許技術の【生体皮膜剤】を浸透させて細胞組織を修復させます。
次に、非ステロイド消炎軟膏と抗生物質軟膏を併用し、ガーゼとネット包帯等で保護して治療します。【生体皮膜剤】の使用により出血凝固物の生成が減るため傷とガーゼが張り付きにくくなります。
従来の方法では組織修復よりも消炎や除菌を重視していたため、痛みや腫れの引き、治療後の美しさなどに問題が生じる場合がありました。当院の治療法は、こうした問題の多くを解決しています。
挫創、切創、擦過創
いわゆる擦り傷や切り傷などのケガは、塗り薬や縫合処理で創傷の処置を行っています。当院の近隣には保育園や幼稚園、小学校が点在しています。そのため、お子様が日常生活の中で負ったキズの治療依頼が多く寄せられ、丁寧な処置に大変喜ばれています。
せつ・よう
毛穴の炎症により老廃物が固まってできた面皰(ニキビの芯)により大きな膿ができて痛む疾患です。通常は、毛穴1カ所のかゆみから始まり、その部分を爪で引っ掻いたりして炎症が悪化します。局所麻酔を行い、切開して面皰を取り除き、膿を洗浄します。
粉瘤
毛包炎やニキビの再炎症などが引き金となり、毛穴の壁が破れて真皮内に垢や皮脂等を貯留した袋が形成される疾患です。腫瘍のように徐々に増大し、化膿すると1週間以内に数倍に腫れて痛みます。
化膿していない場合は、根治的に摘出し縫合します。抜糸は通常1週間ですが、足底や手指では2週間を要します。
化膿した場合、一度局所麻酔下に切開排膿しできるだけ粉瘤を摘出し、洗浄して開創状態で傷跡にします。そして1~2カ月後、残った粉瘤を根治的に摘出します。摘出を2回に分ける理由は、1回では炎症によって縫合がうまくできず、治癒が長引いて傷跡も目立ってしまうことがわかっているためです。
異物摘出
体内に入ってしまった異物を摘出します。小さな木片などは、無麻酔でほとんど痛みもなく摘出できます。手掌から筋層に突き刺さった異物などの場合は、局所麻酔が必要です。当院では、木片、毛、縫い針、釣り針、ガラス片、魚の骨、ピアスなど、さまざまな異物の摘出実績があります。
ガングリオン
靭帯や軟骨膜からつくられるゼリー状の多糖質が皮下に貯留する炎症性疾患で、手指や足趾に多く見られます。治療は、局所麻酔による摘出手術が最も効果的ですが、局所麻酔で蓋を切除し、石炭酸で焼くことで根治した症例も多数あります。この治療法も当院オリジナルです。
巻き爪
(陥入爪=かんにゅうそう)
爪の縁の皮膚が摩擦で炎症を起こし、不良肉芽(ふりょうにくげ)という炎症組織を形成して痛みが出る症状です。
軽度な場合や応急的な場合は、爪の一部をニッパで切除し消炎します。また、つま先を蹴らず足底全体で歩行する【登山歩行】で予防できます。そのほかにも、爪を3mm程度伸ばしておき特殊なバネで矯正する方法も選択できます。
巻き爪の症状を繰り返す場合は、手術療法が有効です。皮膚を切らない術式なので、術後の痛みも少なく安心です。
ケロイド治療
ニキビの炎症が引き金となり、これを爪などで傷つけて治癒が長引き、傷跡が増殖して広がるようにしてできたものがケロイドです。ケロイドができると、痛みやかゆみ、引きつれ感に悩まされます。
ケロイドをつくらないためには、ニキビや毛包炎を爪で傷つけないことが重要です。またケロイドの治療法は、胸部や肩、上腕ではステロイド皮下注が最も効果的です。治療は1~1.5カ月に1回程度で、6回程度を目安にしています。なお、耳部分では手術療法が効果的な場合があります。
皮膚がん
皮膚がんの多くは基底細胞癌とボーエン病です。転移はほとんどなく、多くは摘出手術により根治でき、手術後の再発はほとんどありません。まれな疾患としては、悪性黒色腫・扁平上皮癌(瘢痕癌)・パージェット病などの皮膚がんを発病する場合もあります。
軟部腫瘍、軟部悪性腫瘍
多くは脂肪腫、ときに間質組織由来の腫瘍などがあります。治療は手術療法となります。
軟部悪性腫瘍は脂肪肉腫の頻度がやや高く、発育が早く再発しやすいことから、転移する場合もあります。当院では、軟部悪性腫瘍を疑った場合に、基本的に医療連携病院の自治医科大学さいたま医療センターにご紹介させていただいております。
副耳・軟骨母斑・耳瘻孔・
埋没耳等
これらの疾患には、手術療法で対応しております。また耳介変形が高度な場合は、主に医療連携病院の自治医科大学さいたま医療センターにご紹介させていただいております。
老人性血管腫
老人性血管腫とは「赤いほくろ」のような見た目で、その外観から「チェリースポット」とも呼ばれています。 実際は、ほくろではなく血管腫の一種です。 体のどこにでもできるもので、顔や胸元・背中・腕などに好発します。 老人性血管腫は良性腫瘍で、痛みや痒みを伴うことはありません。
その他
色素性母斑(盛り上がったホクロ)、線維腫、眼瞼黄色腫等、石灰化上皮腫、間葉系腫瘍、血管腫等の小腫瘍などは、手術療法を主として治療を行います。